鈴木 寛 文部科学大臣補佐官、東京大学大学院教授、慶應義塾大学教授
「アートマイルで明日の世界を創る人材を!」 2030年頃には多くの仕事が人工知能に置き換わっているでしょう。このような時代に人工知能では代替できない仕事、人間にしかできない仕事は何か?これから未来を創る人に必要とされる力は、違う文化背景を持った人達と協働して問題を解決する力であり、違う能力を持った人達と協働して無から有を生み出す力です。アートマイルは学校でこうした力をつけることができる革新的な学習プログラムです。アートマイルを通して明日の世界を創る人材が育つことを期待しています。
田村 学 國學院大學教授、元文部科学省視学官
「グローバルな社会における子どもの学びを世界とつなぐ取組」 日本国内の出来事が即座に世界に発信されるように、世界の出来事も瞬時に私たちの手元に飛び込んできます。地球上の距離はどんどん縮まり、それぞれのつながりや関係が深く密接になってきています。アートマイルは、そんなグローバルな社会における子どもの学びを世界とつなぐ取組です。新しい時代には、豊かな感覚と広い視野が求められます。次世代の子どもの成長を支えるアートマイルに、みんなで参加しましょう。
田中 宏果 大学生(オーストラリア モナシュ大学)
“世界と繋がる”体験を通し、“世界と繋がっている”感覚を養い、“世界に挑む”勇気を与えるアートマイル。このプロジェクトに参加したことをきっかけに、1年間フランスに高校留学、現在はオーストラリアの大学で国際開発と人権学を軸に学んでいます。これからは多様性に満ちた世界で、様々な変化に柔軟に対応するグローバル感覚をより培いながら、どの環境においても誰とでも、“人”として共通に感じ、相互に影響をし合えるユニバーサル人材を目指していきたいです。
伊東 菜々美 大学生(フランス パリ政治学院)
「アートマイルは世界の人と『つながり』を与えてくれる場」 私にとってアートマイルとは「つながり」を与えてくれる場です。中学3年生の時にこのプロジェクトに出会ったことで、より良い未来を共に目指す同世代とであれば、たとえ国や学校が違っても、違いを超えて繋がることができるのだと気づきました。そして、この気づきとプロジェクトでの縁に背中を押され、イギリスでの2年間の高校留学とフランスでの3年間の大学留学が叶いました。将来は、現在学んでいる国際関係学・平和紛争学や、アートマイルでの経験を活かして、グローバル化した社会で人のつながりをサポートできる存在になりたいです。
山下 蒼空 高校3年生
「アートマイルは世界に挑む私の『原点』」 私に世界に目を向けるきっかけを与えてくれたのがアートマイルです。1枚の絵を完成させるために世界の同世代とスカイプで話し合う中で、新聞や本で見たその国のイメージがガラリと変わることがありました。実際にこの目で世界を見てみたいと思い、高校2年生の時にカンボジアでボランティア、タイの北部で山岳民族支援をしました。大学は多民族国家であるマレーシアで、国際関係、人権、ジェンダーについて学ぶ予定です。アートマイルは私の原点です。
大池 陽 小学6年生
私たちは5年生で台湾の学校とSDGsの海の豊かさと陸の豊かさについて学習しました。森林は減っているのは知っていたけれど、こんなに急激に減っていることは知らなかったし、砂漠化の意味すら知りませんでした。魚が減少しているのはプラゴミのせいだと思っていたけれど、他に原因があることも知りました。台湾とは課題も取り組みも違うけれど、海と陸を豊かにする理想は同じなので、それぞれの課題に合った取り組みを1人ひとりがすることが大切だと思いました。SDGsは世界の問題だけど自分たちの生活に大きく関わることです。身近な人たちはそれを知らないので伝えていきたいです。伝えるときには、情報をまちがえないように気をつけたいです。批判的に物事を見て考えることをアートマイルで学んだからです。
細川 桂子 小学校教諭
海外の子どもたちと絵を使って交流する学習は低学年の子どもたちにとって予想以上に有効な活動であったと思います。壁画に込める願いについて話し合い、海外の子どもたちと力を合わせて仕上げていく過程で、平和な世界になって欲しいと切望するまでの気持ちを持たせることができたのは、このプロジェクトの力だといえます。1年を通して子どもたちが目を輝かせ生き生きと活動させ達成感を味わわせることができ、このプロジェクトに参加してとても良かったと思います。(福井県坂井市立鳴鹿小学校)
二村 彰久 小学校教諭
セネガルの小学生との交流に取り組んだ学級の子どもたち。彼らにとって、発展途上国の同じ年代の子どもたちは、援助する対象ではありませんでした。「本当の友達になりたい」これが学級の子どもたちの願いでした。同じ地球の仲間として、対等な立場で心を通わせる経験を重ねること。相手を知りたいと思うこと。セネガルの友達の喜ぶ顔が見たいと願うこと。アートマイルに挑む子どもたちの姿から、国際理解・国際協力の原動力は、相手と「つながりたい」と思う心だと気付かされました。(愛知県安城市立安城南部小学校)
中西 浩之 小学校教諭
「国際理解は国内理解」という通り、交流を通して、外も中も未だ見ぬ世界を知ろうという自分自身のモチベーションにつながっていき、当初は「こんなビッグプロジェクト、自分にできるのだろうか」と不安感に苛まれていましたが、どんどん小6児童と共にのめり込んでいきました。また、「多様な価値観を認める」という道徳的要素についても児童と一緒に理解を深めることにつながりました。卒業式の前々日にあるTV番組で相手国のマラウイの特集がありました。児童に聞くと、かなりの子が視聴していました。誰もがこれまで学んだことをベースに「親近感」を抱いていました。この子たちは世界の人々、平和を大事にする大人になると確信した瞬間に立ち会えました。(愛知県津島市立北小学校)