
「未来トーク」は、中高生を中心としたユースが、社会に出て活躍している若い先輩達の話しを聴いて、自分たちの現在・未来について本音で語り合うオンラインイベントです。
2025年11月12日(水)に第5回アートマイル「未来トーク」を開催しました。
【話者】信田 絵里香 さん
【演題】「自分の声を消さないで 〜夢を反対されても、悩んでも、『自分らしさ』を大切に~」
■話者紹介

信田絵里香さんは新潟県南魚沼市出身、大学は柳井正財団1期生としてアメリカに留学してコミュニケーション学・演劇・教育を学ぶ。卒業後は、地元でファーストリテイリング財団の支援の下、教育の新規事業を立ち上げる。現在は、同事業を続けながら、ベネッセ高等学院の自己探究や社会探究のカリキュラム作りや、留学、就活アドバイザーなど、教育系パラレルワーカーとして活動中。新潟や東京でシンガーとしてコンサートに出演する一面も持つ。
■信田絵里香さんトーク
<アーカイブ>「自分の声を消さないで 〜夢を反対されても、悩んでも、『自分らしさ』を大切に~」
https://www.youtube.com/watch?v=WT7a3_luzog
◇お話しの概要
小学校・中学校の頃は、自分がハーフ(母親がアメリカ人)であることで「人と違う」ことが窮屈だった。友達に「英語できて自慢してる」「目立っている」と言われるのが嫌で、すべてをお母さんのせいにして英語をしゃべらない、好きなことを好きと言わない、友達と同じようなものを持ち、同じような髪形にして、どんどん個性が無くなり、アイデンティティを失いそうになった。そんな中、好きなミュージカルをやる演劇が居場所だった。
高校生になって、「これではもったいない!」「今まで反抗していたお母さんのルーツを知りたい、人とうまくコミュニケーションをとりたい、演劇で学んだ多くのことを教育で活かしたい」と思った。でも、お母さんのルーツを知る、コミュニケーションを学ぶ、演劇をやる、この3つを同時にやろうと思ったら日本でできないことが分かった。そこで、「よし、アメリカに留学しよう!」
ところが、信頼していた先生に「日本の大学に行く方が良い」と反対されて夢がつぶされそうになった。先生にバチバチに反抗して自分を見失いそうになりながら、「反対するのは、私が考えていることを知らないからだ」と考えた。「私がどうして行きたいのか、それがどうして大切なのか、先生にどうして欲しいのか」を伝え、「私はこういうサポートが欲しいのです」と言い方を変えたところ、先生が納得して応援してくれるようになった。この時に感じたことは、人に自分のことを伝えるためには「自己理解=自分を知ること」が大切だということ。留学に向けて「どうして留学したいのか、大学に何を求めているのか、入って何をしたいのか」を書くときにも自己理解ができていたことが役に立った。
日本に帰ってきて、「自分がここまで経験できたのは自分のやりたいことを諦めなかったから」だと気付いた。そこで、中高生向けに、好きなことを「好き!」と言える場、やりたいことを「やりたい!」と言える場、自分の可能性を知る場を作ろうと「YouKey Project」を立ち上げた。※YouKey Project<自己分析をして興味関心を見つける→やりたいことを構想する→アクション>。
今はフリーランスでいろいろなことをしている私がみんなに伝えたいことは、「自分の声を消さないで!」「自分のやりたいを大事にして!」「いろんな人とつながって!」「いろんな視点からものを見て!」「自分の人生、自分で決めて!」ということ。

■参加者からの感想
※後半の「本音トーク」の内容報告は、生徒たちのプライベートなことを多く含むので割愛します。
(中学生)
信田さんは行動力があってすごいと思いました。高校生の時点で自分のやりたいことと進路を照らし合わせて留学の準備をするところとか、YouKey Project を運営して子どもの未来を変えているところをすごく尊敬します。勇気の出し方の質問があったときに、「どんなときの自分が一番輝いているかを考えてみるといいですよ」という話しはとてもためになりました。
(中学生)
自分も日本という縛られた環境で過ごしていくのではなく、海外も視野に入れて過ごしているのですが、独自の価値観や人の価値観を意識してこれからを過ごしたいと思います。貴重な体験をありがとうございました。
(高校生)
私は日本語を話すことも緊張すると苦手で、ましてや英語はもっと苦手なのですが、絵里香さんの雰囲気が温かくて本音で話しやすかったです。私に足りなかったのは自分を見つけるために行動することだと分かり、マインドマップを活用してみようと思いました。
(高校生)
信田さんの行動力がすごいなと思いました。たくさん悩んだこともあったのに、自分の意見をしっかり持って失敗することを恐れずにどんどん挑戦する姿がとてもかっこよかったです。私は、将来、幼稚園の先生になりたいという思いはありますが、どんなことを子どもたちに伝えていきたいかは考えてなかったので、私もいろんなことに挑戦して伝えたいことを見つけていきたいです。他にも、自分が輝くことができる居場所も探していきたいです。同学年の人の本音トークも聞けてよかったです。私もみんなに負けないように頑張りたいなと改めて実感しました。未来トーク、参加してよかったです!
(大学生)
特に印象に残ったのは、「子供たちの前に立った時には輝いている自分を想像してみて」というコメントです。教師を目指す自分にとって必要な考え方だと思いました。これからは前に立った時は「俺かっこいい」と思えるようにしたいです。
(大学生)
信田さんの自分のやりたいことを突き詰め幅広くご活躍されているお話を聞き、大変良い刺激をいただきました。教育についてのお話も興味深く聞かせていただきました。私は大学で子どもたちが世界に目を向けられる国際理解教育を専攻としていますが、子どもたちが世界に目を向けられるようになるには、まず、自己理解が必要だと考えています。自己理解という基盤があって、他者、社会、地球へと視野が広がっていくと考えるからです。国際理解教育の基盤ともなる自己理解の重要性を信田さんのお話を聞き再認識することができました。具体的な自己理解の実践ワークもお聞きできたので、将来教師として教育現場に立った時にぜひ生かしていきたいと思います。ありがとうございました。
