ジャパンアートマイルは、世界的な視野でものを考え、社会に新しい価値を生み出すことができる人材を育てることを目標に日本と海外の学校を繋いで国際協働学習を実施しています。この度、新たにアートマイル「未来トーク」を始めました。

「未来トーク」は、中学生・高校生をオンラインで繋ぎ、社会に出て活躍している若い先輩達の話しを聴いたり、自分たちの未来について語り合う場です。

第1回アートマイル「未来トーク」

【日時】10月3日(木曜日) 20~21時 Zoom
【話者】内山翔平さん
【演題】恐れではなく、願いから行動する世界へ
【参加】中学生・高校生

■話者紹介

内山翔太さんは、文部科学省が官民協働で取り組んでいる「トビタテ!留学JAPAN」の高校生コースの第1期生(2016年)です。高校3年生の時に「トビタテ!留学JAPAN」でカナダのブリティッシュコロンビア大学に留学し、大学時代に同大学に再び留学して英語教育や国際教育を学びました。日本の大学を卒業後、Teach for Japan 8期フェローとして奈良県天理市の6つの小学校で英語を教え、昨年2023年8月6日からはJICA海外協力隊としてパプアニューギニアのソゲリ小学校で英語、算数、理科、図工の教育支援をしています。今年度はパプアニューギニアの任務校からSDGs6“Clean Water and Sanitation”をテーマにアートマイルに参加しています。

■内山翔太さんトーク (全文はこちら)

 もともと私が中学生の頃は消極的で人と関わりを避け、英語も苦手だったため海外へ留学することは全く考えていませんでした。そんな私が留学することを決めたのは中学3年生の修学旅行でオーストラリアへ行った際、ホストファミリーとまともに会話ができなかった悔しさがあったからでした。これまで人との関わりを避け、何も挑戦してこなかった中学生活を心底後悔し、その時、「高校生になったらどんなことでも挑戦してみよう!もう一度留学しよう!」と決心しました。

 高校1年生の頃にニュージランド。オークランドに1年間留学し、現地の公立高校に通いました。最初は…

 夢に近づこうと、高校3年生の時に「トビタテ!留学JAPAN」高校生コース1期生として3ヶ月間。カナダに留学し、英語教育で有名なブリティッシュコロンビア大学付属の語学学校に…

 再び大学2年生の頃にカナダのブリティシュコロンビア大学に留学し、グローバルシティズンシップ教育、環太平洋研究、異文化コミュニケーション学、言語習得学、アカデミックライティングについて学びました…

 帰国後、「トビタテ!留学JAPAN」の同窓組織「とまりぎ」の運営メンバーになりました。この同窓組織を存続、発展させていきたいという想いが空回りし、自分も仲間も傷つけて…

 これまでの人生を振り返ってみて、今日皆さんに最も伝えたいことは、人生の大きな方向性を決めるような出来事に出会ったのは10代の頃だったということです。10代の過ごし方が人生の方向性を決める土壌になると思います。何か自分の興味があること、心惹かれることがあったら、迷わずやりましょう。たとえそれが失敗しても、自分らしい人生に繋がっていきます。

■アートマイルユースと本音トーク

お話の後、中学生・高校生の参加者と内山さんとで本音トークをしました。

Q. 私は大きな目標はあるのですが漠然としていて迷いがあります。翔太さんは迷いとかありましたか?

A. 最終的な大きな目標はずっと変わっていないですね。だけど、手段で悩むことはたくさんあります。山の頂上を目指すことを目標としたら、どの道を選ぶのがいいのか、そのためにはどんな知識。技能、経験がいるのか、いつも悩みますね。今振り返って思うのは、結局、進路を決めるのは人とのご縁とタイミングでした。考えても答えが出ず迷った時は自分の直感に従ってみるのがいいと思います。

Q. 何かを取るときには何かを切り捨てなければならないですよね。取捨選択するとき、捨てるものに迷いはないですか?

A. 違う選択をしていたらどうだったかなと思うことはあります。でも人生は一度きりでやり直しはできないので、何かを選択するときはより後悔が少ない方を選ぶようにしています。結局は自分の心に従う方に行くのが一番後悔が少ないように思います。

Q. 何か大きな挑戦をしようとするときに自分の力不足を感じることはありましたか?

A. メチャメチャあります。学生時代、全身全霊でやったのに力が及ばなくて断念したときには本当に悔しかったです。高校生の頃にタイの農村部の教育課題を解決するために現地に行こうとしていたが結局行けなかったし、大学生の頃もカナダで日本の学生向けにスタディツアーを企画していたのですが頓挫しました。その時の失敗の後悔は今もずっとあります。でもその後悔や無力感が糧となって今のJICA海外協力隊での活動(パプアニューギニアと日本の小学校との交流授業やアートマイル)に繋がっているので、一生懸命チャレンジしたら、たとえその時は力不足で結果が出なくても、後の人生に繋がっていくのだと思います。

Q. 自分の思い描くことを叶えようとするときに、不安に思ったり、落ち込んだりしたときはどうしていましたか?

A. 不安に思うときにはどうして不安に思うのかを深く考えることにしています。失敗するのが怖いのか、自分が否定されるのが怖いのか… 不安を掘り下げていくと根源的な要因が見えてきます。不安ってメンタルブロックになっていて、思い込みであったり幻想であったりすることもあるんですよね。それをみつけることが不安の解消につながっているように思います。

最後に、参加した中学生・高校生から「内山さんの話を聞けて本当に良かった!」「10代の過ごし方が人生の方向性を決める土壌になるという言葉が心に残った。」という感想が多く寄せられました。