2024年12月19日に第2回アートマイル「未来トーク」を開催しました。
未来トーク」は、中高生を中心としたユースが、社会に出て活躍している若い先輩達の話しを聴いて、自分たちの現在・未来について本音で語り合うオンラインイベントです。
第2回の話者は、中学1年生の時に参加したJAM主催の「アートマイル環太平洋環境ユースサミット」(インドネシア)がきっかけで、「グローバルに活躍できる大人になりたい」と思ったという山下蒼空さんでした。
参加者は主に中学生・高校生、それに大学生、社会人になった若者でした。
■話者紹介
山下蒼空さんは、中学生の時にアートマイルを通して世界に関心を持つようになり、高校2年生の夏休みにカンボジアでボランティア、春休みにタイの北部で山岳民族支援にチャレンジしました。大学はマレーシアの大学に留学しました。大学卒業後に海外の企業ではなく日本の企業に就職することを選んだのは、日本のデジタル化が遅れていることに危機感を感じ、日本のために仕事をしたいと考えたから。現在は、IT企業でSEとして日本企業のグローバル展開を支援する仕事に就いています。いつも自分の意思で自分の道を切り開いてきた先輩です。
■山下蒼空さんトーク
山下さんは、中学・高校時代に挑戦したこと、海外への扉を開いた出来事、マレーシアの大学を選んだ理由、留学して得たものなど、自身がこれまで歩んできた道と今と未来について語ってくれました。
■トークの内容(全文はこちら)←是非読んでください
1.自己紹介
兵庫県赤穂市の出身です。趣味の一つが旅行で、これまでに18ヵ国、42都道府県に行きました…
2.海外への扉を開いたもの
中1の時にインドネシアのスラバヤで開催された「アートマイル環境ユースサミット」に参加しました… 英語が全く聞き取れず、話すこともできず、号泣しました。それがメチャクチャ悔しかった!… このとき「グローバルに活躍できる大人になりたい!」と思いました。
3.高校時代
カンボジアで日本語教師のボランティア、タイ北部の山岳民族支援に挑戦しました… 「現地の人が持続的に自立することが大事だ。そのためには自立して生活できるような経済発展の仕組み作りが必要だ。」と痛感しました。
4.マレーシアの大学に留学
高3の12月というギリギリの時期に、「マレーシアの大学に行きたい!一生後悔したくない!」と親に号泣して自分の気持ちを説明しました…
高校の卒業式の3日後にフィリピンに飛んで、大学に必要な英語力を付ける超スパルタ校に行き、2ヶ月間寝る間も惜しんでひたすら勉強しました…
大学3年生の時にコロナ禍で大学が閉鎖したので一時帰国しました。その時に事業再生のインターンシップに参加して週5日フルタイムで4ヵ月働きました…
これが日本企業に目を向けるきっかけとなり、現在はIT分野で日本企業のグローバ展開の支援をしています。
4.マレーシア留学で得たもの
(1)行動力
(2)コミュニケーション力
(3)どこでも生きていく力
5.みなさんへのメッセージ
この時間が皆さんの将来の選択肢を考えるきっかけになれば嬉しいです。私は学生時代に「どんなことをやりたいんだろう?」と悩みに悩みました。今は社会人になって働いていますが、今も自分の未来に迷っています。
でも、迷って当たり前!悩んで当たり前!
未来への道は一つじゃないです。世界は広く、可能性は無限大です。自分が興味があることにチャレンジして、冒険してみてください。
■ユースとの本音トーク
お話を聴いた後は、山下さんとユース達との本音トークの時間です。中学生、高校生、大学生、若い社会人と少しずつ年齢が違う人から出てくる質問や意見は大変刺激的で、有益な時間となりました。
<感想>
・私が過ごしてきた世界はとても狭いものだったのだなと気づきました。特に印象的だったのが、マレーシアに行くために自分1人で調べたり準備していたことです。その実行力と勇気を見習って、私もたくさん悩んで自分から自分の道を切り拓きたいと思います。
・ずっと国際関係の仕事に興味がある私にとって、蒼空さんのお話はとても参考になりました。親や先生の反対にも負けない芯の強さを持っていてとてもかっこいいなと感じ、さらには自分の将来を自ら切り開いていくことの大切さに改めて気づくことが出来ました。私もどんどん積極的に自分の将来に向けて働きかけていきたいと思います。
・興味があることを得意にするという考え方は面白いなと思いました。僕は今まで得意なことだからこそ興味が出てくるものだと思っていたので、ある意味逆の見方をしてるのは面白かったです。
・今回のお話を聞いて、努力し続けることの大切さと、自分のやりたいことを大切にすることを学びました。私の夢はアスリートとして世界で活躍することなので、蒼空さんとは違う道に進むことになるけど、これからも自分の夢に向かって努力し続けていきたいです。
・私は今まで日本の大学を選ぶのが当たり前と思っていました。けれど、マレーシアの大学に行っていた山下さんのお話を聞き、一気に将来の選択肢が広がったように感じました。また、私は物事に取り組むときに控えめな姿勢になってしまうことがあるけれど、山下さんのように芯のある女性になりたいなと思いました。
<Q&A >
Q. 質問ではありませんが、僕は前から海外に行きたいと思っているけれど、英語ができないから無理なんじゃないかなとも思っていました。今日山下さんの話しを聴いて、僕も何かできるんじゃないかと思えてきたので嬉しいです。
A. 少しでも勇気に繋がれば嬉しいです。英語を理由に海外を諦めるのはもったいないと思います。言語は現地に行けばなんとかなる!ついてくる!話さないとそこで生きていけないので。言語を理由にするのではなく、自分がやりたいことを大事にしてチャレンジして欲しい!
Q. 私はスペインの大学院の修士課程を卒業して博士課程に進むことを考えていたのですが、日本の社会に貢献したいという思いが強く芽生えてきたので急遽日本での就職活動にシフトしました。ただ、自分の選択肢が本当に正しかったのかと思うことがあります。山下さんも自分が何かを選択するときに悩んだと言っておられましたが、何かを選択したり決断するときに大切にしている価値観がありますか?
A. 社会人になって働いてみて、「ジェネラリスト」ではなく「スペシャリスト」になりたいと思うようになりました。今は、何でもできる人ではなく、何かに特化してすごいというものを見つけたいと思って仕事をしています。「これは山下さんにしか任せられないよね」というものを持ちたいと思っています。
Q. ジェネラリストよりスペシャリストということですが、どういうスペシャリストを目指しているのですか?
A. SE(システムエンジニア)と聞いたらプログラマーをイメージする人が多いですが、私は日系企業が海外に進出するときの支援に携わりたいので、目指しているのはグローバル・プロジェクトマネージャーです。お客様のプロジェクトを一括して管理(マネージメント)する仕事です。一緒にプランを考えたり、詰めたり、相談に乗ったりするので、お客様と話しをすることが多いですね。
Q. 学生の頃と社会人になってからで変わった価値観はありますか?
A. 学生の頃の思いはぼんやりしていました。「日本をよくしたい」「世界を良くしたい」みたいな。社会人になってからは、具体的に、細かい分野で「こういうことに貢献したい」と考えるようになりました。
Q. 自分はコミュニケーション能力が高くないです。話そうとしてもあと一歩のところで踏み留まってしまう。外国人や価値観の違う人と話しをするときにはどうやって話せばいいですか?
A. 私も同じ悩みを持っています。人見知りでなかなか話しかけられない。でも、話しかけてみると相手は結構「うん、うん」と聞いてくれるので、あまり考え過ぎないで話しかけるようにしています。それにはきっかけがあって、インドネシアやカンボジアなどに行った時に、「話さないのはもったいない」と思ったからです。恥ずかしいから黙っておこうというのは止めることにしました。
でも、知らない人に話しかけるって怖くないですか?どういう人か分からないから。私もすごく怖い。でも、自分から「この人はどんな人なんだろう?どんな価値観を持っているのだろう?」と相手のことを知ろうとすると、コミュニケーションの壁が下がるような気がします。人と話すことで学ぶことが多いですし、人との繋がりは社会人になっても大事です。
Q. 自分にしかできないことを見つけるというのは、自分の強みを持つということだと思います。でも自分の弱みはすごく見つかるけど、自分の強みを見つけるの難しい気がします。どうやって強みを見つけましたか?
A. 私も自分の強みが分からなかったのですが、自分が興味があることから強みを作ろうと努力してきました。ITも初めは弱かった。でもある時、興味をもつことがあったので勉強してみると面白くなって強みになりました。