1月20日に開催したウェビナーには、小中高校・大学の先生や校長、教育委員会の方だけでなく、NGO・NPO、民間企業の方の参加もあり、大いに盛り上がりました。今まさに海外校との協働学習でグローバルPBLを体験している木津南中学校の先生と生徒さんの話に、参加者のみなさんは熱心に耳を傾けておられました。

■セミナー内容
【テーマ】「地域の課題を世界につなげて探究するグローバルPBLとは?」
【日 時】1月20日(土) 14:00~15:00
【形 式】オンライン(Zoom)
【内 容】
1.地域の課題を世界につなげてどのように「探究」をグローバルPBLにするのか、アートマイル国際協働学習に学ぶ
2.現在ブラジルの学校と協働学習をしている木津川市立木津南中学校のみなさんのワクワクトーク
3.参加者の皆さまとの対話の時間

■参加者から出た意見・質問

・中学生の生徒さんが口々に「自分の世界が広がった」「自分が成長したと思う」と言われていたのがとても印象的で、聞いていて嬉しかったです。

・(参加校/中学校長)今年初めて参加して、中学1年でアートマイルを実施しています。総合的な学習の時間で取り組んでいるアートマイルの学びが学校の教育活動の柱になると考えています。自ら課題を設定して、自ら調べて、まとめて、相手に向けて発信するという一連の学習を、中学校での学びの柱として組み立てたいと思っています。

・(参加校/中学校長)参加は今年で3年目で、毎年2年生の総合的な学習の時間で取り組んでいます。3年間実施したので全ての教員が関わったことになり、今後も続けられる土台を作ることができました。来年度以降はこれまでの経験を元に、より充実した学習になっていくと思います。

・(参加校/高校教師)本校でも総合の時間で取り組んでいて、様々な教科の教諭が関わっています。生徒は幅広いサポートを受けて、楽しそうに取り組んでいます。相手とはZoomで何度かオンライン会議をしていますが、相手校の英語を聞き取るのはかなり大変です。事前に話す内容のスライドをお互いにシェアしておくと、聞き取りができなくても意思疎通の助けになります。

■JAMがご質問にお答えします。

Q1. 小学校で海外との協働学習は難しくありませんか?
小学生でも大丈夫です。小学生には小学生の、中学生には中学生の、高校生には高校生の学習の目標設定とやり方があります。学習の進め方については、JAMが協働学習のカリキュラムモデルや各フェーズのTo Do リストを提供していますから、初めての先生でもそれを参考に学習計画を立てていただけると思います。ただし、この学習ツールを使って子ども達にどういう力を付けたいのかは先生がお決めになることです。おのずと小学生の学習のねらいと高校生のねらいとは違うと思いますので、まずは先生がこの学習でどういう子どもを育てたいのかをお考えください。

Q2. 英語力に不安があります
全く問題ないと言ってもいいと思います。今のAIの翻訳ツールを使えば、本当に言葉の壁は低くなっています。小学生でも自分のタブレットで相手が書いている英語を日本語に訳して読んで、自分の意見は日本語で書いて翻訳ツールを使って英訳してどんどん相手に伝えていました。子ども達は英語はまったく気にしていなかった様子です。一方で、中高生になると、オンラインで相手と話しをする場面を作って英語力を鍛える機会にすることもできます。

Q3. 芸術と探究に注目された背景について教えてください
アートマイルはグローバルなプロジェクトベースの学習です。プロジェクトには明確な目的、成果物が要りますね。アートマイルは協働学習ですから、生み出す成果物も相手との共同制作となります。成果物は、絵でなくても、音楽でも、論文でも、ショートフィルムでも良いわけですが、世界中のどの国でも、発展途上国でも、特別なスキルがなくても一緒に創れるものとなると絵がやりやすい手法ということで壁画制作としています。

Q4. 参加費用はみなさんどのように捻出されていますか
参加校に尋ねたところ、費用の出所はいろいろあるようです。PTAが出してくれたり、教育委員会が出してくれるところもありますし、生徒から集めているところもあります。

■ジャパンアートマイルの発表資料